ZSTAT( ) 関数

標準 Z 統計量を返します。

構文

ZSTAT(実際値, 期待値, 母集団)

パラメーター

名前 種類 説明
実際値 数値
  • パラメーターを数値として指定する場合は、先頭の桁や先頭の桁の組合せなど、実際の数値を指定します。
  • パラメーターを比率として指定する場合は、検査する値の予期される比率は 0 ~ 1 の範囲( 0 以上 1 以下)で指定します。
期待値 数値
  • パラメーターを数値として指定する場合は、先頭の桁や先頭の桁の組合せなど、予期される数値を指定します。
  • パラメーターを比率として指定する場合は、検査する値の予期される比率は 0 ~ 1 の範囲(0 より大きく 1 未満)で指定します。
母集団 数値 検査する項目の総数。この値は 0 より大きい正の整数でなければなりません。

出力

数値。

高度な例

値が数値のパラメーター

過去 10 年のデータを調べた結果、通常は月ごとの高度障害保険請求件数の分布がほぼ一定であることが判明しました。今年の 4 月、5 月、6 月には請求件数が例年より 10 パーセント多く、例年は 1 か月平均 200 件ですが今年は 220 件ありました。7 月と 8 月の件数はやや少なく、それぞれ 193 件と 197 件でした。今年の請求件数の合計は 2,450 件でした。これらの高い数値結果と低い数値結果が有意なものであったかどうかを調べるには、Z 統計を使用します。

4 月から 6 月までの実際の請求件数は 660 件で予想より高いです。この期間の請求件数の期待値は年間の請求件数である 2.450 件の 25 パーセント、つまり 612.5 件です。これらの統計量に対する Z 統計量は 2.193 と計算されます。

ZSTAT(660, 612.5, 2450)

Z 統計量 1.96 の有意性は 0.05 で、Z 統計量 2.57 の有意性は 0.01 です。したがって、請求件数が偶然高くなる確率は 1/20 と 1/100 の間です。

7 月から 8 月までの実際の請求件数は 390 件で予想より低いです。この期間の請求件数の期待値は年間の請求件数である 2,450 件の 1/6、つまり 408.33 件です。これらの比率に対する Z 統計量は 0.967 と計算されます。

ZSTAT(390, 408.33, 2450)

これはあまり有意な結果ではありません。1.000 未満の Z 統計量は非常に一般的で、通常は無視できる範囲の値です。

値が比率のパラメーター

過去 10 年のデータを調べた結果、通常は月ごとの高度障害保険請求件数の分布がほぼ一定であることが判明しました。今年の 4 月、5 月、6 月には請求件数が例年より 10 パーセント多く、例年は 1 か月平均 200 件ですが今年は 220 件ありました。7 月と 8 月の件数はやや少なく、それぞれ 193 件と 197 件でした。今年の請求件数の合計は 2,450 件でした。これらの高い数値結果と低い数値結果が有意なものであったかどうかを調べるには、Z 統計を使用します。

4 月から 6 月までの請求件数の実際値は予想より高く、比率 660/2450 で表されます。この期間の請求件数の期待値は年間の請求件数である 2,450 件の 25 パーセントです。これらの比率に対する Z 統計量は 2.193 です。

ZSTAT((1.00000000 * 660 / 2450), 0.25, 2450)

Z 統計量 1.96 の有意性は 0.05 で、Z 統計量 2.57 の有意性は 0.01 です。したがって、請求件数が偶然高くなる確率は 1/20 と 1/100 の間です。

7 月から 8 月までの実際の請求件数は 390 件と少ないです。この期間の請求件数の期待値は年間の請求件数である 2,450 件の 1/6、つまり 16.6667 パーセントです。これらの比率に対する Z 統計量は 0.967 です。

ZSTAT((1.00000000 * 390 / 2450), 0.16667, 2450)

これはあまり有意な結果ではありません。1.000 未満の Z 統計量は非常に一般的で、通常は無視できる範囲の値です。

備考

機能の仕組み

ZSTAT( ) 関数は、デジタル解析をはじめとするさまざまな問題解決のタスクに使用する標準 Z 統計量を計算します。小数点以下 3 桁の精度で結果を出力します。

ZSTAT( ) を使用する

ZSTAT( ) 関数を使用すると、指定した期間やカテゴリで得られる結果についての発生の頻度を評価することができます。結果の Z 統計量が大きいほど発生の可能性は低くなります。

たとえば、Z 統計量 1.96 の有意性は 0.05(20 回に 1 回発生すると予測される)であるのに対し、Z 統計量 2.57 の有意性は 0.01(100 回に 1 回発生すると予測される)です。Z 統計量については、統計関係の書籍を参照してください。

ZSTAT( ) の入力値を指定する

ZSTAT( ) のパラメーターには数値か比率のいずれかを指定できます。

  • 両方の入力値に数値を指定した場合、この関数は浮動小数点演算を使用して Z 統計量を計算します。
  • 両方の入力値に比率を指定した場合、この関数は固定小数点演算を使用して Z 統計量を計算します。この場合、小数の乗数を使用して、丸めを制御する必要があります。
  • 実際値または期待値を求める式の中で式を使用する場合、小数の乗算によって結果の精度を指定する必要があります。Analytics では小数点以下 8 桁が使用されるので、1.00000000 の乗算によって、得られる範囲で最高の精度の値が返されます。
ACL のスクリプト作成ガイド 14.1