レコード サンプルの誤謬を評価する
サンプリングされたデータのセットに対して監査手順を実行した後には、Analytics を使用して次のことができます。
- 検出したすべての誤謬を母集団に対して投影する
- 逸脱率の上限の計算
誤謬が見つからない場合でも、評価機能を使用して、サンプリング リスクの基本的な許容度を計算します。
メモ
誤謬の評価には、あらかじめサンプル数の計算によって生成された変数を用いる必要があります。
評価と比較の方法
評価するときには、Analytics は統計式を使用して、サンプルで見つかった誤謬を母集団全体に対して推定し、上限誤謬頻度(計算された逸脱率の上限)を計算します。
サンプル サイズを計算したときには以前に決定した上限誤謬(%)と計算された値を比較します。比較に基づき、規定された統制が効果的に機能しているかどうかを決定します。
比較 | 結論 |
---|---|
上限誤謬頻度は上限誤謬 (%)以下です | 規定された統制は効果的に機能しています |
上限誤謬頻度は上限誤謬 (%)より大きいです | 規定された統制は効果的に機能していません |
手順
メモ
値を指定する際、3 桁の区切り記号やパーセント記号は含めないでください。これらの文字を使用すると、コマンドを実行できないか、エラーが発生します。
-
[サンプリング > レコード/金額単位サンプリング > 評価]を選択します。
メモ
メニュー オプションは、テーブルが開いていない場合は無効です。
- [メイン]タブで、[レコード]を選択します。
- 誤謬の評価で使用する入力値を入力します。
- 信頼
- サンプル サイズ
メモ
抽出した実際のサンプル サイズを指定します。これは、Analytics によって当初計算されたサンプル サイズと異なっていてもかまいません。
- 誤謬数
メモ
入力値は以下で詳細に説明します。
- [出力]タブ
- [To]パネルで、次のいずれかを選択します。
- 画面 - Analytics の表示領域に結果を表示します
- ファイルは結果をテキスト ファイルに保存または追加します
ファイルは Analytics の外部に保存されます。
- 出力タイプとして[ファイル]を選択した場合、次のいずれかを実行します。
- [名前]テキスト ボックスにファイル名を入力します。
- [名前]ボタンをクリックして、[保存]または[ファイルを保存する名前]ダイアログ ボックスでファイル名を入力するか、既存のファイルに上書きまたは追加する場合はそのファイルを選択します。
Analytics によってファイル名があらかじめ設定されている場合は、その設定されている名前を受け入れることも、あるいは変更することもできます。
また、絶対ファイル パスや相対ファイル パスを指定したり、別のフォルダーへ移動したり、プロジェクトの場所以外の場所にファイルを保存したり、その場所にあるファイルに追加したりすることもできます。たとえば、C:\Results\Output.txt または Results\Output.txt のように指定します。
メモ
ファイル タイプ オプションは、使用している Analytics のエディションに応じて、ASCII テキスト ファイルまたは Unicode テキスト ファイルのいずれかのみです。
- [To]パネルで、次のいずれかを選択します。
- [OK]をクリックします。
- 上書きを確認するメッセージが表示されたら、適切なオプションを選択します。
[評価]ダイアログ ボックスの入力値
次の表は、[評価]ダイアログ ボックスの入力値の詳細を示します。
メイン タブ – 入力値
入力値 – 評価ダイアログ ボックス | 説明 |
---|---|
信頼度 |
サンプル数の計算時に入力した同じ信頼度。 詳細については、レコード サンプルのサンプル サイズを計算を参照してください。 |
サンプル サイズ |
サンプルのレコード数。 メモ サンプル サイズは抽出した実際のサンプル サイズをです。これは、Analytics によって当初計算されたサンプル サイズと異なっていてもかまいません。 |
誤謬数 |
サンプルで見つかった誤謬または逸脱の総数。 |
以下の図は、レコード サンプルの誤謬を評価するための入力値の例を示します。
結果
レコード サンプルで見つかった誤謬の評価は次の結果になります。
入力値 | 説明 |
---|---|
上限誤謬頻度 (計算された上限偏差率) |
Analytics が計算する調整された逸脱率は、指定した信頼度に対してデータセット全体で超過されません。 |
以下の図は、レコード サンプルで見つかった誤謬を評価した結果を示します。
「上限誤謬頻度」の意味
サンプル サイズを計算したときに決定した上限誤謬(%)と比較した場合の上限誤謬頻度の意味
- 検査している統制が有効に運用されているかどうか
- 統制が運用状況は有効されている場合、運用の効果
例
レコード サンプリングで見つかった誤謬を評価し、Analytics は上限誤謬頻度 4.35% を返します。この割合は、サンプル サイズを計算し、信頼度 95% を指定したときに前の手順で指定した上限誤謬(%)(許容される逸脱率)の 5% 未満です。
この情報に基づいて、次のことが言えます。
母集団全体で規定された統制からの実際の逸脱率が 4.35% を超える確率は 95% です。
上の図のように、上限誤謬頻度が 5% より大きい場合、規定された統制は運用状況は有効されていない可能性があります。さらに適切な手順を決定し、監査目的を満たす必要があります。