従来の変数サンプリングの誤謬の評価
コンセプト情報
サンプリングされたデータのセットに対して監査手続きを実行した後には、Analytics を使用して次のことができます。
- 勘定全体に対してサンプルの監査金額を推定する
- 勘定全体に対して見つけたサンプルの虚偽表示を推定する
- 推定された合計監査金額と推定された合計虚偽表示金額の上限と下限を計算する
誤謬が見つからない場合でも、評価機能を使用して、サンプリング リスクの基本的な許容度を計算します。この場合、推定タイプとして平均推定を使用する必要があります。
従来の変数サンプリングの正しいプロセスを実行
従来の変数サンプリングのプロセスにおける最終段階は、エラーを評価することです。エラーを評価できるようになるには、これまでの段階を実行し終わっている必要があります。
詳細については、次を参照してください。
どの推定タイプを使用すればよいですか?
CVS 評価段階では、4 つの異なる推定タイプ(評価方法)から選択できます。
- 平均推定
- 差異
- 比率分離
- 比率結合
使用しなければならない推定タイプは、データの性質、サンプル簿価、サンプル監査金額、およびそれらの関係によって決まります。
ガイドライン
推定タイプの選択に役立つガイドラインを次に示します。
ヒント
様々な推定タイプによって生成された結果同士を比較するには、[推定タイプ]ドロップダウン リストで "すべて" を選択します。"すべて" を選択することで、評価出力にすべての推定タイプが含まれます。

推定タイプ | 虚偽表示の存在 | 虚偽表示のサイズ | 簿価の符号 | 層間の比率の比較 |
---|---|---|---|---|
平均推定 |
虚偽表示がないか、非常に少ない虚偽表示しかない。 監査したサンプル母集団に虚偽表示がないか、非常に少ない場合に、唯一有効な推定タイプ |
該当なし | 該当なし | 該当なし |
差異 |
虚偽表示が必要 監査したサンプル母集団にはいくつかの虚偽表示が必要です。 たとえば、サンプルの 5% 以上に虚偽表示が含まれているなどの場合です。 |
虚偽表示が比例しない場合 虚偽表示が関連する簿価に比例しない場合、つまり虚偽表示のサイズが関連する簿価のサイズに比例しない場合に適しています。 つまり、簿価の大小に関係なく、それに含まれる虚偽表示が大きかったり小さかったりする場合です。 |
該当なし | 該当なし |
比率分離 |
虚偽表示が関連する簿価に比例する場合 虚偽表示が関連する簿価に比例する場合、つまり虚偽表示のサイズが関連する簿価のサイズに比例する場合に適しています。 つまり、簿価が小さければ虚偽表示が小さく、簿価が大きければ虚偽表示が大きくなる場合です。 |
すべての簿価が同じ符号を持つ サンプルの全簿価が同じ符合を持つ、つまりすべてプラスか、すべてマイナスかのどちらかである必要があります。 |
比率が異なる サンプルの監査金額の平均とサンプル簿価の平均との比率が層間で大きく異なる場合に適しています。 |
|
比率結合 |
比率間の差異があまりない サンプルの監査金額の平均とサンプル簿価の平均との比率が層間であまり差異がない場合に適しています。 |
更新済みサンプル テーブルのインポート
Excel から、または監査額の追加に使用する任意の外部アプリケーションから、更新済みサンプル テーブルを Analytics にインポートします。
テーブルは次を含む必要があります。
- 簿価フィールドサンプルを抽出したときに存在していた元の記録された簿価
- 監査金額フィールド監査済み金額。分析の結果に基づいて必要な場合に更新されます
詳細については、Microsoft Excel データのインポートを参照してください。
サンプル分析の結果の評価
メモ
値を指定する際、3 桁の区切り記号やパーセント記号は含めないでください。これらの文字を使用すると、コマンドを実行できないか、エラーが発生します。
- インポートした更新済みサンプル テーブルを開きます。
- [サンプリング > 従来の変数サンプリング (CVS) > 評価]を選択します。
メモ
メニュー オプションは、テーブルが開いていない場合は無効です。
[CVS 評価]ダイアログ ボックスが開きます。評価段階の入力として、CVS 準備段階と CVS サンプル段階の出力結果を使用する場合は、フィールドのほとんどに必要な値が自動的に入力されます。
自動入力される値がいくつか欠けている場合は、以下を行ってください。
- 値を再生成するために、ログに記録されている CVSSAMPLE コマンドを再実行する
- CVS サンプル段階で生成された CVSEVALUATE コマンドを保存してある場合は、それを実行する
- [メイン]タブで、[推定タイプ]ドロップダウン リストから次のオプションのいずれかを選択します。
- MPU
- 差異
- 比率分離
- 比率結合
- すべて
メモ
オプションは上記で詳細に説明します。
- あらかじめ入力された値を使用していない場合、または 1 つ以上の値を調整する場合は、必要な値を入力または更新します。
- 信頼度 (%)
- 推定誤謬数
- 簿価
- 監査値
- 精度上限
- 上位確実性層(カットオフ、カウント、値)
- 下位確実性層(カットオフ、カウント、値)
- 階層境界
- 母集団(カウント、値)
メモ
入力値は以下で詳細に説明します。
注意
通常は、入力された値を変更しないでください。あらかじめ入力された値を変更すると、評価プロセスの統計の有効性が否定される可能性があります。
- [出力]タブ
- [To]パネルで、次のいずれかを選択します。
- 画面 - Analytics の表示領域に結果を表示します
ヒント
表示領域内で、リンク付きの任意の結果値をクリックすると、関連付けられているソース テーブル内の 1 つまたは複数のレコードにドリルダウンすることができます。
- ファイルは結果をテキスト ファイルに保存または追加します
ファイルは Analytics の外部に保存されます。
- 画面 - Analytics の表示領域に結果を表示します
- 出力タイプとして[ファイル]を選択した場合、次のいずれかを実行します。
- [名前]テキスト ボックスにファイル名を入力します。
- [名前]ボタンをクリックして、[保存]または[ファイルを保存する名前]ダイアログ ボックスでファイル名を入力するか、既存のファイルに上書きまたは追加する場合はそのファイルを選択します。
Analytics によってファイル名があらかじめ設定されている場合は、その設定されている名前を受け入れることも、あるいは変更することもできます。
また、絶対ファイル パスや相対ファイル パスを指定したり、別のフォルダーへ移動したり、プロジェクトの場所以外の場所にファイルを保存したり、その場所にあるファイルに追加したりすることもできます。たとえば、C:\Results\Output.txt または Results\Output.txt のように指定します。
メモ
ファイル タイプ オプションは、使用している Analytics のエディションに応じて、ASCII テキスト ファイルまたは Unicode テキスト ファイルのいずれかのみです。
- [To]パネルで、次のいずれかを選択します。
- [OK]をクリックします。
CVS 評価出力結果が表示されるか、ファイルに保存されます。
CVS 評価ダイアログ ボックスの入力値と結果
次の表は、[CSV 評価]ダイアログ ボックスの入力値と出力結果の詳細を示します。
メイン タブ – 入力値
入力値 – CVS 評価ダイアログ ボックス |
説明 |
---|---|
推定タイプ |
使用する推定タイプ(評価方法)。 |
信頼度 (%) |
必要な信頼度。この信頼度で、結果のサンプルが母集団全体を表します。 たとえば、95 を指定した場合は、サンプルが 実際に 95% の確率で母集団を代表しているとお客様が信頼したいということを意味します。 信頼度は "サンプリング リスク" の補数です。信頼度が 95% ということはサンプリング リスクが 5% ということと同じです。 |
推定誤謬数 |
サンプルで想定する最低誤謬数。 この値は CVS 評価計算で使用されません。サンプルで見つかった実際の誤謬数が推定誤謬数を下回る場合に、通知をトリガーするために使用されます。 実際の誤謬数が推定誤謬数未満の場合、使用可能な唯一の評価方法は平均推定です。 |
簿価 | 記録された簿価を含むサンプル テーブルの数値フィールド。 |
監査値 | 監査金額を含むサンプル テーブルの数値フィールド。 |
精度制限 |
使用する精度制限のタイプ。 詳細については、従来の変数サンプリングの準備を参照してください。 |
上位確実性層(カットオフ、カウント、値) |
CVS プロセスで使用された上位確実性層カットオフ値、上位確実性層のレコード数、および合計値。 |
下位確実性層(カットオフ、カウント、値) |
CVS プロセスで使用された下位確実性層カットオフ値、下位確実性層のレコード数、および合計値。 |
階層境界 |
データセットを階層化するために使用された境界値。 |
母集団(カウント、値) |
各ソース テーブルのレコード数と各層の合計値。 |
出力結果
出力結果 – CVS 評価 | 説明 |
---|---|
評価方法 | 選択した推定タイプ。 |
信頼度 | 入力として指定した信頼度。 |
点推定値 |
ソース テーブル内のデータ セット全体の推定監査額を統計的に推定した値。 点推定値は推定された範囲の中点です。 |
精度 |
点推定値が取り得る金額の幅を統計的に推定した値。 この範囲の上限と下限は、点推定値±精度によって得られます。 |
推定合計監査値 |
推定合計監査値(推定監査総額)の範囲を視覚的に表したもの 範囲の使用方法
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推定誤謬総額 |
推定誤謬総額の範囲を視覚的に表したもの 推定誤謬総額の範囲を計算する方法
範囲の使用方法
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