従来の変数サンプリングの誤謬の評価

コンセプト情報

CVSEVALUATE コマンド

サンプリングされたデータのセットに対して監査手続きを実行した後には、Analytics を使用して次のことができます。

  • 勘定全体に対してサンプルの監査金額を推定する
  • 勘定全体に対して見つけたサンプルの虚偽表示を推定する
  • 推定された合計監査金額と推定された合計虚偽表示金額の上限と下限を計算する

誤謬が見つからない場合でも、評価機能を使用して、サンプリング リスクの基本的な許容度を計算します。この場合、推定タイプとして平均推定を使用する必要があります。

従来の変数サンプリングの正しいプロセスを実行

従来の変数サンプリングのプロセスにおける最終段階は、エラーを評価することです。エラーを評価できるようになるには、これまでの段階を実行し終わっている必要があります。

詳細については、次を参照してください。

どの推定タイプを使用すればよいですか?

CVS 評価段階では、4 つの異なる推定タイプ(評価方法)から選択できます。

  • 平均推定
  • 差異
  • 比率分離
  • 比率結合

使用しなければならない推定タイプは、データの性質、サンプル簿価、サンプル監査金額、およびそれらの関係によって決まります。

ガイドライン

推定タイプの選択に役立つガイドラインを次に示します。

ヒント

さまざまな推定タイプによって生成された結果同士を比較するには、[推定タイプ]ドロップダウンリストで[すべて]を選択します。"すべて" を選択することで、評価出力にすべての推定タイプが含まれます。

更新済みサンプル テーブルのインポート

Excel から、または監査額の追加に使用する任意の外部アプリケーションから、更新済みサンプル テーブルを Analytics にインポートします。

テーブルは次を含む必要があります。

  • 簿価フィールドサンプルを抽出したときに存在していた元の記録された簿価
  • 監査金額フィールド監査済み金額。分析の結果に基づいて必要な場合に更新されます

詳細については、Microsoft Excel データのインポートを参照してください。

サンプル分析の結果の評価

メモ

値を指定する際、3 桁の区切り記号やパーセント記号は含めないでください。これらの文字を使用すると、コマンドを実行できないか、エラーが発生します。

  1. インポートした更新済みサンプル テーブルを開きます。
  2. サンプリング > 従来の変数サンプリング(CVS) > 評価]を選択します。

    メモ

    メニュー オプションは、テーブルが開いていない場合は無効です。

    CVS 評価]ダイアログ ボックスが開きます。評価段階の入力として、CVS 準備段階と CVS サンプル段階の出力結果を使用する場合は、フィールドのほとんどに必要な値が自動的に入力されます。

    自動入力される値がいくつか欠けている場合は、以下を行ってください。

    • 値を再生成するために、ログに記録されている CVSSAMPLE コマンドを再実行する
    • CVS サンプル段階で生成された CVSEVALUATE コマンドを保存してある場合は、それを実行する

      メモ

      保存してある CVSEVALUATE コマンドを実行する場合は、監査値フィールドの名前と評価タイプを更新する必要があります。

      詳細については、CVSEVALUATE コマンドを参照してください。

  3. メイン]タブで、[推定タイプ]ドロップダウンリストから次のオプションのいずれかを選択します。
    • MPU
    • 差異
    • 比率分離
    • 比率結合
    • ALL

    メモ

    オプションは上記で詳細に説明します。

  4. あらかじめ入力された値を使用していない場合、または 1 つ以上の値を調整する場合は、必要な値を入力または更新します。
    • 信頼度 (%)
    • 推定誤謬数
    • 簿価
    • 監査値
    • 精度制限
    • 上位確実性層(カットオフ、カウント、値)
    • 下位確実性層(カットオフ、カウント、値)
    • 階層境界
    • 母集団(カウント、値)

    メモ

    入力値は以下で詳細に説明します。

    注意

    通常は、入力された値を変更しないでください。あらかじめ入力された値を変更すると、評価プロセスの統計の有効性が否定される可能性があります。

  5. 出力]タブ
    1. To]パネルで、次のいずれかを選択します。
      • 画面 - Analytics の表示領域に結果を表示します

        ヒント

        表示領域内で、リンク付きの任意の結果値をクリックすると、関連付けられているソース テーブル内の 1 つまたは複数のレコードにドリルダウンすることができます。

      • ファイルは結果をテキスト ファイルに保存または追加します

        ファイルは Analytics の外部に保存されます。

    2. 出力タイプとして[ファイル]を選択した場合、次のいずれかを実行します。
      • 名前]テキスト ボックスにファイル名を入力します。
      • 名前]ボタンをクリックして、[保存]または[名前を付けて保存]ダイアログ ボックスでファイル名を入力するか、既存のファイルに上書きまたは追加する場合はそのファイルを選択します。

        Analytics によってファイル名があらかじめ設定されている場合は、その設定されている名前を受け入れることも、あるいは変更することもできます。

        また、絶対ファイル パスや相対ファイル パスを指定したり、別のフォルダーへ移動したり、プロジェクトの場所以外の場所にファイルを保存したり、その場所にあるファイルに追加したりすることもできます。たとえば、C:\Results\Output.txt または Results\Output.txt のように指定します。

      メモ

      ファイル タイプ オプションは、使用している Analytics のエディションに応じて、ASCII テキスト ファイルまたは Unicode テキスト ファイルのいずれかのみです。

  6. OK]をクリックします。

    CVS 評価出力結果が表示されるか、ファイルに保存されます。

    メモ

    出力結果は以下で詳細に説明します。

    出力結果の解釈の詳細については、請求書レコード全体の表示が公正であるかどうかを判定するを参照してください。

CVS 評価ダイアログ ボックスの入力値と結果

次の表は、[CSV 評価]ダイアログ ボックスの入力値と出力結果の詳細を示します。

メイン タブ – 入力値

入力値 – CVS 評価ダイアログ ボックス

説明
推定タイプ

使用する推定タイプ(評価方法)。

信頼度 (%)

必要な信頼度。この信頼度で、結果のサンプルが母集団全体を表します。

たとえば、95 を指定した場合は、サンプルが 実際に 95% の確率で母集団を代表しているとお客様が信頼したいということを意味します。

信頼度は "サンプリング リスク" の補数です。信頼度が 95% ということはサンプリング リスクが 5% ということと同じです。

推定誤謬数

サンプルで想定する最低誤謬数。

この値は CVS 評価計算で使用されません。サンプルで見つかった実際の誤謬数が推定誤謬数を下回る場合に、通知をトリガーするために使用されます。

実際の誤謬数が推定誤謬数未満の場合、使用可能な唯一の評価方法は平均推定です。

簿価 記録された簿価を含むサンプル テーブルの数値フィールド。
監査値 監査金額を含むサンプル テーブルの数値フィールド。
精度制限

使用する精度制限のタイプ。

詳細については、従来の変数サンプリングの準備を参照してください。

上位確実性層(カットオフ、カウント、値)

CVS プロセスで使用された上位確実性層カットオフ値、上位確実性層のレコード数、および合計値。

下位確実性層(カットオフ、カウント、値)

CVS プロセスで使用された下位確実性層カットオフ値、下位確実性層のレコード数、および合計値。

階層境界

データセットを階層化するために使用された境界値。

母集団(カウント、値)

各ソース テーブルのレコード数と各層の合計値。

出力結果

出力結果 – CVS 評価 説明
評価方法 選択した推定タイプ。
信頼度 入力として指定した信頼度。
点推定値

ソース テーブル内のデータ セット全体の推定監査額を統計的に推定した値。

点推定値は推定された範囲の中点です。

精度

点推定値が取り得る金額の幅を統計的に推定した値。

この範囲の上限と下限は、点推定値±精度によって得られます。

推定合計監査値

推定合計監査値(推定監査総額)の範囲を視覚的に表したもの

範囲の使用方法

  • ソース テーブルの母集団簿価が範囲内にある場合:

    この勘定の表示が公正である可能性が非常に高くなります。

  • ソース テーブルの母集団簿価が範囲の上限または下限の外部にある場合:

    この勘定には重大な虚偽表示がある可能性があります。

推定誤謬総額

推定誤謬総額の範囲を視覚的に表したもの

推定誤謬総額の範囲を計算する方法

  • 誤謬総額の点推定値は、推定合計監査値(推定監査総額)から母集団簿価を差し引いたものです。
  • この範囲の上限と下限は、点推定値±精度によって得られます。
  • マイナスの誤謬額は過剰計上の誤謬を表し、プラスの誤謬額は過少計上の誤謬を表します。

範囲の使用方法

  • 推定誤謬総額の範囲がゼロ(0)±(CVS 準備段階で指定した金額精度)の範囲内の場合:

    この勘定の表示が公正である可能性が非常に高くなります。

  • 推定誤謬総額範囲の上限または下限が金額精度範囲の上限または下限の外部にある場合:

    勘定の表示に重大な虚偽表示がある可能性があります。