ドリル スルー レポートの作成

ドリル スルー レポートにより、レポート閲覧者は、レポート作成者が定義した特定のドリル パスに従うことができます。ドリル スルー レポートを作成すると、レポート閲覧者は、一般的なレポートからより詳細なレポートへと移動することができます。

機能の仕組み

ドリル スルー レポートには 2 つのコンポーネントがあります。

  • マスター レポート 他の子レポートへのリンクを含むメインのレポート
  • 子レポート マスター レポートにリンクするレポート

1 つ以上の子レポートをマスター レポートにリンクさせる場合は、子レポートのフィルターに対応するマスター レポートでフィールドに基づくレポート間の関係を定義します。

この関係により、レポート閲覧者は、マスター レポートでハイパーリンクされた値をクリックし、フィルター処理されたデータを含む子レポートを開くことができます。

サマリー レベルおよび詳細な問題データの閲覧

シナリオ

あなたは、レポート閲覧者がサマリー レベルおよび詳細な問題データを閲覧できるレポートを作成する必要があります。レポート閲覧者が、概要レベルでプロジェクトごとの問題数を閲覧し、具体的なプロジェクトをドリルして問題の詳細を表示できることを望んでいます。

プロセス

プロジェクト別の問題数を含むマスター レポートと、詳細な問題データを含む子レポートを作成します。

まず、マスター レポートと子レポートに次のフィールドを定義します。

マスター レポート 子レポート

列:

  • プロジェクト名
  • 問題タイトル(数)

フィルター: なし

列:

  • 問題のタイトル
  • 問題の作成日
  • 問題の所有者
  • 重要度
  • 問題はクローズ済み?

フィルター: プロジェクト名

最後に、プロジェクト名としてマスター フィールドと子フィールドの両方を定義し、ハイパーリンクされた値を表示するフィールドとしてプロジェクト名を指定します。

結果

レポート閲覧者は、マスター レポートを閲覧してサマリー レベルの問題データにアクセスし、プロジェクト名の値をクリックして詳細な問題データにアクセスできるようになり、子レポートに導かれます。

たとえば、レポート閲覧者は、以下のサーベンス・オクスリー(SOX)監査テンプレート(COSO 2013)フレームワーク)プロジェクトでクリックできます。

問題のサマリー

クリックすると、サーベンス・オクスリー(SOX)監査テンプレート(COSO 2013)フレームワーク)プロジェクトに関連する詳細な問題データが表示されます。

詳細な問題データ

ドリル スルー レポートをデザインする場合のヒント

ドリル スルー レポートのデザインを上手に行える重要な事柄があります。

対象者を知る

ドリル スルー レポートのデザインを始める前に、レポートの主要対象者はだれかを検討します。

主要対象者に対し、レポートが最も重要な質問に確実に答えるようにします。すべての潜在的な対象者のニーズに対応するレポートを作成しないようにします。意図された対象者へのメッセージが不明瞭になる可能性があります。

対象者に対応する設計をするためには、これらの主な質問に自問自答します。

  • 主な対象者は誰か?
  • 対象者はこのレポートをどのように見るか?
  • このデータを基に、対象者にどのようなアクションを取ってほしいか?

レポート構成とデータを計画する

対象者について明確に理解できたら、すぐに、レポート構成とデータの計画を開始できます。

まず、どのレポートがマスター レポートの役目を果たすか、すなわち開始地点を決めます。マスター レポートは、通常、概要レベルの一般データを含んでおり、より深い分析の開始地点としての目的があります。

開始地点を決定したら、子レポートの計画を開始できます。一般に、子レポートには詳細な情報が含まれています。

レポート構成とデータを計画したら、マスター レポートと子レポートの作成を始める準備ができた状態です。

最初に子レポートを作成する

ドリル スルー レポートの作成に必要なすべてのレポートを決定したら、レポートの作成を開始できます。

最も詳細なレポートである、子レポートの作成から始めます。子レポートの作成が終わったら、マスター レポートを作成します。

マスター レポートは、ドリル スルーの機能を設定する場所であるため、最後にマスター レポートを作成することで、子レポートとの関係を定義し、ドリル スルー レポートの構築プロセスを完了することができます。

作業を開始する前に

ドリル スルー レポートを作成する前に、次のことを行う必要があります。

  1. 子レポートの役目を果たす 1 つ以上のレポートを作成する
  2. マスター レポートの役目を果たすレポートを作成する
  3. マスター レポートに、子レポート内のフィルターに一致するフィールドが少なくとも 1 つ含まれるようにします
    メモ

    クロス集計レポートでドリル スルー機能を有効にするには、マスター レポートと子レポートに列フィールドと行フィールドの両方を含める必要があります。

アクセス許可

レポート管理者とレポート作成者のみが、ドリル スルー レポートを作成できます

ドリル スルー マスター レポートを定義する

  1. レポートアプリを開きます

    閲覧]ページが開きます。

  2. マスター レポートの役目を果たすレポートを開きます。
  3. レポート ビルダーの[データ]タブの[分析スタイル]で、[ ドリル スルー]を選択します。

    関連コンテンツ]タブが表示されます。

  4. 省略可能。単一のレポート内で複数のレポートを表示するには、[ マルチ表示]を選択します。

子レポートをドリル スルー マスター レポートにリンクさせる

  1. 関連コンテンツ]タブをクリックします。

    関連コンテンツ]ページが開きます。

  2. レポート検索]ボックスでキーワードを入力し、適切な子レポートを見つけます。
  3. 各子レポートをドリル スルー領域にドラッグします。
    ヒント

    レポートからダッシュボードをドリル スルーする場合は、ダッシュボードを[ドリル スルー]エリアにドラッグすることもできます。

  4. 各子レポートに対し、次のことを実行します。
    1. 表示領域で子レポートを選択します。
    2. 結合タイプ]の下で、次のオプションのいずれかを選択します。
      • 条件付き Direct Link 対応するフィールドとフィルターを使用する必要なく、指定されたフィルター値に基づき、マスター レポートを子レポートにリンクさせます
      • ドリル スルー 対応するフィールドとフィルター間の定義された関係に基づき、マスター レポートを子レポートにリンクさせます
      • 条件付きドリル スルー 対応するフィールドとフィルター間の定義された関係、および指定されたフィルター値に基づき、マスター レポートを子レポートにリンクさせます
      • リンク 対応するフィールドとフィルターを使用する必要なく、グラフを別のレポートにリンクさせます
        メモ

        リンク]結合タイプを選択したら、マスター レポートにはグラフが含まれている必要があります。

    3. 条件付きドリル スルーまたはドリル スルーを結合タイプとして選択したら、[結合]の下で、次を実行します。
      • マスター フィールド 子レポートのフィルターに対応するマスター レポートのフィールド
      • 子フィルター マスター レポートのフィールドに対応する子レポートのフィルター

        子レポートには、マスター レポートで定義されていない追加フィールドまたはフィルターを含めることができます。たとえば、子レポートが別のマスター レポートにリンクしている場合は、対応するマスター フィールドまたは子フィルターで[省略]を選択できます。

        メモ

        考慮事項:

        • 子レポートに複数のフィルターがある場合は、マスター レポートのフィールドに対応するフィルターを選択する必要があります。
        • 子レポートに 1 つのフィルターのみがある場合は、このフィルターが自動的に子フィルターとして選択されます。
    4. オプション]の下で、次のことを実行します。
      • ハイパーリンク フィールド ハイパーリンクされた値が表示される場所を定義します

        1 つのフィールドのみがハイパーリンクされた値を持つことができます。[ハイパーリンクされたフィールド]オプションは、[リンク]結合タイプを選択した場合は適用できません。

        ヒント

        子レポートのセクションとして、ハイパーリンクされたフィールドとして使用するフィールドを含めることができます。こうすることで、列内の値の代わりに、タイトルとしてフィルター値と一緒に子レポートを表示できます。

      • 新規ウィンドウのポップアップ 省略可能。マスター レポートをオーバーレイするポップアップとして子レポートを開きます
        メモ

        新規ウィンドウのポップアップ]オプションを選択する場合は、次の検討事項が適用されます。

        • 他のレポートに導かれる追加のドリル パスを設定できません。
        • マルチ表示レポートが表示されません。マスター レポートのみが表示されます。
    5. 条件付き Direct Link または条件付きドリル スルーを結合タイプとして選択した場合は、フィールドのどの値がハイパーリンクされるかを指定する条件を定義します。

      たとえば、プロジェクト名をフィールドとして、また、給与監査を値として定義する場合は、[プロジェクト名]フィールドの給与監査の値のみがハイパーリンクされます。

    6. 更新]をクリックします。
  5. 省略可能。子レポートとマスター レポート間のリンクを解除するには、該当する子レポートを選択し、[削除]、[はい]の順にクリックして確認します。

レポートを書式設定する

省略可能。[分析スタイル]で ドリル スルーに追加して[マルチ表示]を選択した場合は、次の手順を実行します。

  1. 設計]タブをクリックします。
  2. 書式設定ツールバーでは、[マルチ表示書式設定]をクリックします。

    マルチ表示書式設定]ダイアログ ボックスが開きます。

  3. マルチ表示レポートの書式設定オプションのいずれかを構成し、 をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。

    詳細については、「マルチ表示レポートの書式設定」を参照してください。

レポートを保存する

  1. 公開]タブをクリックします。

    レポート保存]ダイアログ ボックスが開きます。

  2. 詳細]タブで:
    1. レポートの名前と説明を入力します。
    2. 該当するコンテンツ フォルダーとコンテンツ サブ フォルダーを選択して、レポートが保管される場所を定義します。
    3. 省略可能。[+ (タグ追加)]をクリックし、レポートを分類するタグを作成するか、レポートに関連する既存のタグのいずれかを選択します。
      ヒント

      タグを使用すると、[閲覧]ページでレポートを素早くフィルター処理できます。

    4. レポートで必要なアクセス レベルを指定します。
      • パブリック レポートが保管されるコンテンツ サブ フォルダーにアクセスするすべてのユーザーが、レポートにアクセスできます
      • 個人用 ストーリーボードへのアクセス権がある特定の担当者やグループを定義できます

        ユーザー アクセス]タブが表示されるため、レポートへのアクセス権がある担当者/グループを定義できます。

  3. 配信]タブで、レポートを配信する方法を指定します。
    • ブロードキャスト 電子メールでレポートを自身または他のユーザーにブロードキャストできます
    • 電子メール 電子メールでレポートを配信できます
    • 電子メール/ブロードキャスト セキュリティ ブロードキャストまたは電子メールが選択されている場合、このオプションでは、電子メールでレポートを受信できるよう、ユーザーに必要なアクセス レベルを指定できます。
      • すべてのユーザー すべてのレポート ユーザーが電子メール経由でレポートを受け取ることができます
      • 制限なし レポートアプリを利用できない外部関係者にレポートを送ることができます
      • 許可されたユーザー ダッシュボード タブにアクセスできるフォルダーを持つすべてのユーザーが、電子メール経由でレポートを受け取ることができます
      メモ

      Web サービス]オプションは現在サポートされていません。

  4. エクスポート]タブで、レポートオプションの設定を指定します:
    • デフォルト レポート構成で定義されたデフォルトの設定を使用します
    • オン レポートオプションをオンにします
    • オフ レポートオプションをオフにします
  5. レポート設定]タブでは、[閲覧]ページでレポートを表示可能か、およびダッシュボードにレポートを追加可能かを指定します。
  6. レポートをドラフトとして保存したり、レポートを他の人が利用できるようにアクティブ化したりします。
    • 保存 > 有効化]から、レポートを保存し、該当するアクセス権のあるユーザーがこれを使用できるようにします

      レポートをアクティブ化したら、レポートを電子メールで送り、レポートをダッシュボードやプレゼンテーションに追加できます。

      メモ

      サブ フォルダーの[ユーザー アクセス]設定が[公開のためには専門家の承認が必要]に設定されている場合は、[保存 > 承認を申請]を選択します。

    • 保存 > ドラフト]により、レポートは保存されますが、レポート作成者またはレポート閲覧者ロールが割り当てられているユーザーはレポートを利用できません。