機密データの安全な操作
AX Server 上のサーバー テーブルに Analytics から監査するための機密データを保管することで、機密データをローカルのファイル システムにダウンロードする必要がなくなります。AX Server にデータを保管することで、データのセキュリティが保証されるとともに、承認された Analytics ユーザーに監査アクセス許可が与えられます。
要件
このようなクイック スタートを行うには、以下が必要です。
- AX Server のインスタンスに接続して本番稼働できるだけでなく、管理者アクセス許可を有する、AX Client のインストール
- Analytics Exchange インストールと同じエディション(Unicode または非 Unicode)での Analytics のインストール
- Analytics に同梱されているサンプル データへのアクセス許可
メモ
デフォルトでは、サンプル データ プロジェクトはローカル ファイル システムのC:\Users\username\Documents\ACL Data\Sample にインストールされます。
ライブラリ内にインポート先フォルダーを作成する
まず、AX Server のライブラリにインポート先のコレクションおよびフォルダーを作成します。コレクションは Analytics Exchange のプロジェクト フォルダーを格納する上位のコンテナです。
ヒント
このコレクションをライブラリに作成することで、管理ユーザーのみがプロジェクトのデータに直接アクセスできるようになります。非管理ユーザーはこのデータにはリンクされたテーブルやサーバー テーブルを介して間接的にのみアクセスできます。詳細については、テーブルによるデータへのアクセスを参照してください。
- AX Client の Server Explorer で "ライブラリ" をクリックし、[新規 > コレクション]の順に選択します。
AX Server 内でプロジェクトと監査コンテンツを見つけやすくするため、コレクションにはわかりやすい名前を付けてください。
- Server Explorer で新しいコレクションを右クリックし、[新規 > フォルダー]の順に選択します。
このフォルダーはプロジェクトのインポート先のため、インポート元の Analytics プロジェクトを特定できる名前を付けてください。
Analytics プロジェクトおよびデータをインポートする
次に、Analytics 内のプロジェクトを AX Server 上のライブラリに作成したフォルダーにインポートします。
サンプルの Analytics プロジェクトを開く
- ACL for Windows を開きます。
- [アナリティクス プロジェクトを開く]をクリックし、ACL Data\Sample Data Files フォルダーから Sample Project.ACL を選択します。
- ナビゲーターの "テーブル" フォルダーのデータを確認します。これは、AX Server に保管されるセキュリティ保護されたデータです。
- プロジェクトを閉じ、ACL for Windows を終了します。
プロジェクトをインポートする
- AX Client の Server Explorer で、作成したフォルダーを右クリックし、[インポート]を選択します。
- ACL Data\Sample Data Files フォルダーを参照し、Sample Project.ACL を選択して、[オープン]をクリックします。
- [インポート先の選択]ダイアログ ボックスで、[ソース データ ファイル(.fil ファイル)をインポートする]を選択し、[インポート]をクリックします。
結果 プロジェクトがインポート先フォルダーにインポートされ、"分析アプリ" サブフォルダーに表示されます。プロジェクトのテーブルは "データ" サブフォルダーに表示されます。
作業フォルダーとリンクされたテーブルを作成する
非管理ユーザーがリンクされたテーブルを介してセキュリティ保護されたデータにアクセスするためのコレクションとフォルダーを作業ディレクトリに作成します。この間接的なアクセスにより、機密データが不正アクセスや意図しない変更から保護されます。
コレクションとフォルダーを作成する
- AX Client の Server Explorer で "作業" ディレクトリを右クリックし、[新規 > コレクション]の順に選択します。
AX Server 内でプロジェクトと監査コンテンツを見つけやすくするため、コレクションにはわかりやすい名前を付けてください。
- Server Explorer で新しいコレクションを右クリックし、[新規 > フォルダー]の順に選択します。
このフォルダーはプロジェクトのインポート先のため、インポート元の Analytics プロジェクトを特定できる名前を付けてください。
ヒント
このフォルダーにアクセスできるユーザーを制御するには、アプリケーションへのアクセス許可を使用します。アクセス許可は、このフォルダー データを操作できるように割り当てられているユーザーだけに制限できます。詳細については、アプリケーションへのアクセス許可を参照してください。
リンクされたテーブルを作成する
- ライブラリに作成したフォルダーの "データ" サブフォルダーで、Ctrl キーを押しながら Payroll および Empmast テーブルを選択します。
- 選択したこれらのテーブルを右クリックして[コピー]を選択します。
- 作業ディレクトリに作成したフォルダーを右クリックし、[リンクの貼り付け]を選択します。
結果 これらのテーブルがリンクされたテーブルとして貼り付けられ、作業ディレクトリ内の "データ" サブフォルダーに表示されます。リンクされたテーブルの詳細については、リンクされたテーブルを参照してください。
サーバー テーブルをエクスポートし、Analytics から安全に操作する
これで AX Client にリンクされたテーブルを作成できたので、サーバー テーブルが含まれる Analytics プロジェクトとして作業ディレクトリのフォルダーをエクスポートできます。サーバー テーブルのデータ ファイルは、その読み取りに使用するテーブル レイアウトがプロジェクトと一緒にエクスポートされても、AX Server に残ります。
承認されたユーザーは、サーバー プロファイルを使って、このセキュリティ保護されたデータに Analytics からリモート アクセスできます。
フォルダーを Analytics にエクスポートする
- 作業ディレクトリに作成したフォルダーに作成した "データ" サブフォルダーを右クリックして、[エクスポート]を選択します。
- [エクスポート]ダイアログ ボックスで以下を行います。
- [エクスポートしたファイルで作業しますか?]をオンにします。
- [選択した定義と一緒にデータ ファイルをエクスポートしますか?]をオフにします。
メモ
このチェック ボックスをオフにすると、AX Server により、エクスポート元の .FIL データ ファイルがエクスポートから除外されます。Analytics でエクスポートするプロジェクトを開くと、プロジェクト内のテーブルは、サーバーの資格情報を使って AX Server に安全に接続され、保護されたソース ファイル内のデータを取り込みます。
- プロジェクトのエクスポート先フォルダーをローカルのファイル システムから選択します。
- [OK]をクリックします。
結果 フォルダーが folderName_all_tables.ACL という Analytics プロジェクトとしてエクスポートされ、このプロジェクトは Analytics に表示されます。テーブル名の横のアイコンにより、これらのテーブルがサーバー テーブルとしてエクスポートされたことが確認できます。
Analytics でサーバー テーブルを操作する
Analytics の[サーバー プロファイル]ダイアログ ボックスに Analytics Exchange の資格情報を入力して AX Server に接続し、AX Server に安全に保管されている機密データを操作します。
- Analytics のツール バーで[サーバー > サーバー プロファイル]の順に選択します。
- [サーバー プロファイル]ダイアログ ボックスに Analytics Exchange 接続設定を入力し、[保存]、[クローズ]を順にクリックします。
設定 説明 プロファイル名 サーバー プロファイルの名前:Analytics Exchange ユーザー ID AX Client のご使用ユーザー ID パスワード AX Client のご使用パスワード プレフィックス AX Server の作業ディレクトリのファイル パス: c: \acl\data\aclse\\ユーザー名 ホスト名 接続先の AX Server インスタンスのホスト名 ポート AX Server への接続に使用するポート: 10000
結果 これで、プロジェクト内のサーバー テーブルを操作できるようになります。テーブルを開くと、Analytics により AX Server 上のデータへの読み取り専用接続が開始されるので、機密データをローカルのファイル システムにダウンロードしなくてもテーブルを分析できるようになります。