式の使用

式は値と演算子を組み合わせたもので、これにより計算を実行したり結果を返したりすることができます。

式は柔軟で役立つツールです。次のことができます。

  • さまざまな計算を実行する
  • フィルターを作成する
  • 分析のデータを準備する
  • 演算フィールドを作成する

式の内容

式には、データ フィールドや、関数、リテラル、定数、および変数を含めることができ、算術演算子または論理演算子を使ってこれらを組み合わせることができます。

式は手動で直接入力することも、また式ビルダーで作成することもできます。この式ビルダーは Analytics のあらゆる場所で式を作成するために提供される標準ユーティリティです。

式の複雑さ

式は必要に応じて、単純な式にも複雑な式にもなり得ます。

単純な式では基本的な算術演算の結果を返します。

例:

数量 * 単価

複雑な式では、多数のフィールドや関数を参照し、演算子を使って式のパーツを結合させます。

例:

PROPER(first_name) + " " + PROPER(last_name)

これは、first_name(名)フィールドと last_name(姓)フィールドの各値をそれぞれ適切な大小文字表記(最初の文字を大文字に、残りの文字を小文字)に変換し、次にそれら 2 つの値の間にスペースを 1 つ挿入して、結合しています。

式の型

Analytics は 4 つのタイプの式をサポートします。これは、4 つのサポートされているデータ カテゴリまたはデータ型に対応します。

  • 文字
  • 数値
  • 日付時刻
  • 論理

例:

  • 金額 + 1 は数値式です。数値に対して演算を実行し、数値の結果を返すためです。
  • 金額 > 1 は論理式です。比較を行い、真または偽の論理結果を返します。

作成する式の内容は式タイプに対応する必要があります。

式タイプ 必要な内容
文字 次のいずれかを含みます。
  • 文字フィールド
  • 文字データを含む変数
  • 文字値を返す関数
  • 引用された文字列(文字リテラル)

製品コードから数字を抽出し、3 文字のプレフィックスを破棄します。

  • SUBSTR(製品コード, 4, 10)
数値 次のいずれかを含みます。
  • 数値フィールド
  • 数値データを含む変数
  • 数値を返す関数
  • 引用符を含まないリテラル数値 - 数字とマイナス記号、必要な場合小数点

税込み売上価格を計算します。

  • 売上価格 * 1.07

3 つのフィールドの中で最大値を見つけます。

  • MAXIMUM(最小数, 最小手持ち在庫数, 注文数)
日付時刻 次のいずれかを含みます。
  • 日付時刻フィールド
  • 日付時刻データを含む変数
  • 日付時刻値を返す関数
  • 引用された日付時刻値(日付時刻リテラル)

日付時刻データ型には、日付、日付時刻および時刻という 3 種類のサブタイプがあります。

引用符で囲む日付時刻値の場合はバッククォートが必要です。たとえば、`20141231``20141231.235959` と指定します。バッククォート(`)は、キーボードの Shift + @ キーで入力できます。

2 つの日付間の経過日数を計算します。

  • `20141231` - `20141130`

2 つの時刻フィールド間の経過時間を計算します。

  • 終了_時刻 - 開始_時刻
論理 次のいずれかを含みます。
  • 真または偽の論理結果を生成する処理 (T または F)
  • 論理値を返す関数

T または F が式の一部となる場合は、引用符を付けないで入力する必要があります。

メモ

論理式は、フィールド、変数、またはあらゆるデータ型のリテラルを参照できます。

支払日が期限を過ぎたすべてのレコードを検索します。

  • 支払_日付 > 支払_期日

3 つの都市のテーブルでレコードをフィルタリングします。

  • MATCH(Vendor_City, "Phoenix", "Austin", "Los Angeles")

Analytics による式の評価方法

Analytics は次の規則に従って、式を評価します。

演算子の優先順位 算術的および論理的な優先順位は、演算子が評価される順序をsします。Analytics 式の演算子を参照してください。

演算子の評価順序を変更するには、丸かっこ ( ) を使います。

演算子データ型 各演算子は、そのオペランドが互換性があるデータ型である場合にのみ動作します。
関数のかっこ すべての Analytics 関数には丸かっこが必要です。評価は、最初に関数の丸かっこ内のすべてのもの、その後その関数の丸かっこの外にある式の他の部分の順に行われます。
文字列の比較 異なる長さの文字列を比較した場合、デフォルトでは、より短い文字列が採用されます。

オプション]ダイアログ ボックスの[テーブル]タブにある[正確な文字比較を行う]オプションが有効になっている場合は、より長い文字列が採用されます。

詳細については、[テーブル]タブ([オプション]ダイアログ ボックス)を参照してください。

小数点精度

数式で異なる精度の数値が混在した場合、計算結果には、小数点以下の桁数が最も多いオペランドの小数点以下桁数が保持されます。(このデフォルト動作は SET MATH コマンドで変更できます。)

例:

  • 4 + 5.0 = 9.0
  • 6 * 2.000000 = 12.000000
  • 1.1 * 1.1 = 1.2
  • 1.1 * 1.10 = 1.21

詳細については、数式の端数処理と小数点精度の制御を参照してください。

Analytics 式の演算子

以下の表は、式を作成するときに使用できる演算子の一覧を示します。

演算子は優先順位の降順で記載されています。式に同じ優先順位の演算子がある場合、かっこを使用して特定の評価順序を指定しないかぎり、演算子は左から右に評価されます。

 

演算子(優先順位順に一覧表示)

説明

( )

丸かっこ – 演算子の優先順位を修正するか、または関数のパラメーターを囲みます。

NOT

-

論理 NOT

単項マイナス – マイナス記号。負数を示します。

^

累乗 – 数値のべき乗を求めます。

*

/

同じ優先順位の演算子は左から右に評価されます。

乗算

除算

+

-

同じ優先順位の演算子は左から右に評価されます。

加算

減算

+

文字列の連結

>

<

=

>=

<=

<>

同じ優先順位の演算子は左から右に評価されます。

メモ

2 つの記号の演算子にはスペースを含めることができません。たとえば、>= と入力します。> = は不可です。

より大きい

より小さい

等しい

以上

以下

等しくない

AND(または &

論理 AND

OR(または |

論理 OR

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