グローバル フィルター(ビュー フィルター)

グローバル フィルターは、ビューで表示するレコード、Analytics 操作で処理するレコードを制限します。

レコードを大まかにフィルターリングするための、条件が 1 つの単純なフィルターや、非常に特定のデータのサブセットを分離するための、条件が複数ある複雑なフィルターを構築することができます。

シンプルなフィルターと複雑なフィルター

シンプルなフィルター

以下などの特定のエンティティに関連するレコードは、条件が 1 つのシンプルなフィルターを作成すれば抽出できます。

  • 名前
  • 日付
  • 勘定科目番号

たとえば、買掛金テーブルで、特定の業者に関するレコードのみを表示または処理できるようにするため、その業者の業者番号でフィルターすることができます。

Vendor_No = "14438"

複雑なフィルター

より限定されたデータ サブセットを抽出したい場合は、複数の条件を使って複雑なフィルターを作成します。

たとえば、買掛金テーブルから次の 3 つの条件をすべて満たす請求書のみを抽出するフィルターを作成できます。

  • ベンダー 14438
  • 2014 年に送信
  • $1000.00 以上

(Vendor_No = "14438") AND (BETWEEN(Invoice_Date,`20140101`,`20141231`)) AND (Invoice_Amount >= 1000.00)

ビューへは一度に 1 つしかフィルターを適用できませんが、上の例で示したように、AND や OR などの論理演算子を使用すれば 1 つのフィルター内で複数の条件を組み合わせることができます。

論理演算子の詳細については、Analytics 式の演算子を参照してください。

フィルター式で抽出の条件を指定する

Vendor_No = "14438" などのフィルター式ビルダーを作成する際には、レコードがフィルターリング後のテーブルに抽出されるための条件を指定します。

フィルター式でブール論理の True と評価されたレコードが、フィルター後のテーブルに抽出されます。False と評価されたレコードは除外されます。

したがって、この例の場合は、次のようになります。

  • ベンダー番号 14438 のレコードはすべて True と評価されるため、抽出される
  • ベンダー番号 90215 のレコードはすべて False と評価されるため、除外される

ヒント

どのようなレコードをフィルターで包含するのかをわかりやすくするため、フィルター式の前に "レコード抽出条件:" というフレーズを付けてみてください。このテクニックは、複雑な式を作成したり、NOT や Not Equal To(<>)などの否定を行う論理演算子を使用する場合に役立つことがあります。

フィルター式の例

次の例は、同じフィルター値グループと同じデータ セットを使用するフィルターリングのバリエーションです。

レコード抽出条件:

  • すべての値に適合する
  • いずれかの値に適合する
  • すべての値に適合しない
  • いずれかの値に適合しない

すべての値に適合するレコードを抽出する

次のフィルター式によってフィルターリング後のテーブルに抽出されるレコードとは、ベンダーが 14438、日付が 2014 年 7 月 15 日、かつ請求金額が $1,000 であるレコードです。

つまり、これら 3 つの条件のすべてに適合するレコードがフィルターリング後のテーブルに抽出されます。

(Vendor_No = "14438") AND (BETWEEN(Invoice_Date,`20140101`,`20141231`)) AND (Invoice_Amount >= 1000.00)

含まれているか? ベンダー番号 請求日付 請求金額
はい 14438 2014 年 7 月 15 日 $1000
いいえ 90215 2014 年 7 月 15 日 $1000
いいえ 14438 2015 年 5 月 25 日 $1000
いいえ 14438 2014 年 7 月 15 日 $500
いいえ 90215 2015 年 5 月 25 日 $500

いずれかの値に適合するレコードを抽出する

次のフィルター式によってフィルターリング後のテーブルに抽出されるレコードとは、ベンダーが 14438、日付が 2014 年 7 月 15 日、または請求金額が $1,000 であるレコードです。

つまり、これら 3 つ条件のいずれかに適合するレコードがフィルターリング後のテーブルに抽出されます。

(Vendor_No = "14438") OR (Invoice_Date = `20140715`) OR (Invoice_Amount = 1000.00)

含まれているか? ベンダー番号 請求日付 請求金額
はい 14438 2014 年 7 月 15 日 $1000
はい 90215 2014 年 7 月 15 日 $1000
はい 14438 2015 年 5 月 25 日 $1000
はい 14438 2014 年 7 月 15 日 $500
いいえ 90215 2015 年 5 月 25 日 $500

すべての値に適合しないレコードを抽出する

次のフィルター式によってフィルターリング後のテーブルに抽出されるレコードとは、ベンダーが 14438 以外、日付が 2014 年 7 月 15 日以外、かつ請求金額が $1,000 以外であるレコードです。

つまり、これら 3 つの条件のすべてに適合するレコードがフィルターリング後のテーブルに抽出されます。

(Vendor_No <> "14438") AND (Invoice_Date <> `20140715`) AND (Invoice_Amount <> 1000.00)

含まれているか? ベンダー番号 請求日付 請求金額
いいえ 14438 2014 年 7 月 15 日 $1000
いいえ 90215 2014 年 7 月 15 日 $1000
いいえ 14438 2015 年 5 月 25 日 $1000
いいえ 14438 2014 年 7 月 15 日 $500
はい 90215 2015 年 5 月 25 日 $500

いずれかの値に適合しないレコードを抽出する

次のフィルター式によってフィルターリング後のテーブルに抽出されるレコードとは、ベンダーが 14438 以外、日付が 2014 年 7 月 15 日以外、または請求金額が $1,000 以外であるレコードです。

つまり、これら 3 つ条件のいずれかに適合するレコードがフィルターリング後のテーブルに抽出されます。

(Vendor_No <> "14438") OR (Invoice_Date <> `20140715`) OR (Invoice_Amount <> 1000.00)

含まれているか? ベンダー番号 請求日付 請求金額
いいえ 14438 2014 年 7 月 15 日 $1000
はい 90215 2014 年 7 月 15 日 $1000
はい 14438 2015 年 5 月 25 日 $1000
はい 14438 2014 年 7 月 15 日 $500
はい 90215 2015 年 5 月 25 日 $500

部分一致

文字データをフィルターリングするときは部分一致がサポートされます。つまり、フィルターリングに使用するフィールドに含まれる長い値の一部をフィルター値に指定できます。

例:

  • Vendor_Name = "R" は、テーブルを "R" で始まる名前の業者に制限します。
  • Address = "PO Box" は、テーブルを "PO Box" で始まる住所に制限します。

メモ

フィルター値は、一致を成すフィールドの先頭に現れる必要があります。

正確な文字比較を行う]オプションがオフ(デフォルト設定)の場合、部分一致は有効になります。オプションをオンにすると、部分一致は無効になり、フィルター値は、一致を成すフィールドの値と正確に一致しなければなりません。詳細については、[テーブル]タブ([オプション]ダイアログ ボックス)を参照してください。

フィルターの保持

グローバル フィルターは、削除する、別のグローバル フィルターに置き換える、またはテーブルを閉じるまではアクティブなままです。グローバル フィルターを、あるテーブルのデフォルト フィルターとし、そのテーブルを開くときには自動的にグローバル フィルターが適用されるようにすることもできます。

グローバル フィルターはローカル フィルターとは異なります。ローカル フィルターは、単独の Analytics 操作の 1 回の実行時にのみアクティブになるフィルターです。

グローバル フィルターがアクティブになっている場合、ステータス バーには グローバル フィルター インジケーターが表示され、それに続いて、フィルター構文(一時的なフィルターの場合)またはフィルター名(名前付きフィルターの場合)が表示されます。

  • 一時的なフィルター グローバル フィルター:(Vendor_No = "14438")
  • 名前付き フィルター グローバル フィルター:Vend_14438

グローバル フィルターを作成および適用するさまざまな方法

グローバル フィルターを作成および適用するには、次のようにさまざまな方法があります。

  • [フィルター]テキスト ボックスに手動でフィルター構文を入力する
  • クイック フィルターを作成する
  • 式ビルダーを使用してフィルターを作成する、または既存のフィルターを選択する
  • [フィルター]ドロップダウン リストから既存のフィルターを選択する
Analytics 14.1 ヘルプ